含み損はスワップでどこまで埋まるか|南アフリカランド円7本で計算した

コラム
ランド投資の基礎
その⑥
2026.10.12

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高金利通貨を持っていると、含み損をスワップで埋めてプラスにできたらいいな、と思います。たぶん、わたしだけではないはずです。いま持っている南アフリカランド円の7本で、含み損がスワップでどこまで埋まっているのかを計算しました。数字は2026年10月10日(土)の夕方、相場が閉まったあとの画面です。そのときの売る値段(Bid)は9.5835でした。

7本の含み損と、スワップを並べる

SBI FXトレードの建玉一覧には、建玉ごとに「評価損益」と「スワップポイント」が並んでいます。評価損益は、いま売ったらいくらになるかの値段の損益です。スワップは、持っているあいだに毎日付いてきた金利の差です。この2つを足したものを、この日記では「差引」と呼んでいます。

建玉 建値 評価損益 スワップ 差引 埋まった割合
10/1建 9.5641 +194円 +108円 +302円 —
9/23建 9.6587 −752円 +192円 −560円 26%
9/7建 9.7053 −1,218円 +420円 −798円 34%
9/3建(16:19) 9.7662 −1,827円 +432円 −1,395円 24%
9/3建(12:24) 9.8378 −2,543円 +432円 −2,111円 17%
⑦ 8/28建 9.9166 −3,331円 +516円 −2,815円 15%
① 7/7建 9.9941 −4,106円 +1,211円 −2,895円 29%
合計 平均 9.7775 −13,583円 +3,311円 −10,272円 24%

7本合わせると、評価の含み損は−13,583円で、スワップは+3,311円です。スワップが埋めているのは、含み損の24%でした。いちばん新しい10月1日の玉は、値段が建値より上にあるので、評価も差引もプラスです。

埋まった割合は、玉によって15%から34%までばらばらです。長く持っている玉ほどスワップは多くなりますが、高い値段で買った玉ほど含み損も大きいので、割合は単純には並びません。

差引のゼロは、評価のゼロより先に来る

評価損益がゼロになるのは、値段が建値まで戻ったときです。差引がゼロになるのは、それより手前です。スワップのぶんだけ、値段が建値に届かなくても損益がゼロになります。1万通貨なら、スワップ100円が値段の1銭にあたるので、計算は「建値−スワップ÷1万」です。

建玉 評価がゼロになる値段(建値) 差引がゼロになる値段 差
9/23建 9.6587 9.6395 1.92銭
9/7建 9.7053 9.6633 4.20銭
9/3建(16:19) 9.7662 9.7230 4.32銭
9/3建(12:24) 9.8378 9.7946 4.32銭
⑦ 8/28建 9.9166 9.8650 5.16銭
① 7/7建 9.9941 9.8730 12.11銭
7本合計 9.7775 9.7302 4.73銭

7月7日に買った①は、スワップが1,211円たまっています。建値は9.9941ですが、差引は9.8730でゼロになります。12.11銭手前です。9月26日の時点では、①のスワップは1,043円で、差引ゼロの値段は9.8898でした。2週間で1.68銭、ゼロの場所が下に降りてきています。

おもしろいのは①と⑦の関係です。①は⑦より7.75銭高い値段で買いましたが、差引がゼロになる値段は0.80銭しかちがいません。①のほうが7週間ほど長く持っていて、そのぶんのスワップが、買った値段の差をほとんど埋めています。

値段が建値に戻る前に、
損益はゼロに戻る。

7本まとめると、いまの売る値段9.5835から、評価がゼロになる平均建値9.7775までは19.40銭あります。差引がゼロになる9.7302までなら14.67銭です。スワップのおかげで、ゼロまでの距離が4.73銭短くなっています。

スワップだけで埋めると、何日かかるか

SBI FXトレードの南アフリカランド円のスワップは、いまは1万通貨で1日12円です(9月に南アの政策金利が7.25%に上がってからも、12円のままでした)。7本なら1日84円になります。値段がいまのまま動かず、1日12円が続くとしたら、という計算です。

建玉 差引 12円で埋めると
10/1建 +302円 もうプラス
9/23建 −560円 47日分
9/7建 −798円 67日分
9/3建(16:19) −1,395円 117日分
9/3建(12:24) −2,111円 176日分
⑦ 8/28建 −2,815円 235日分
① 7/7建 −2,895円 242日分
7本合計 −10,272円 1日84円で123日分

スワップの日数は、カレンダーの日数とほぼ同じで、1か月におよそ30〜34日分つきます(9月は30日分、10月は34日分)。123日分は4か月ほどです。①は242日分で、8か月ほどかかります。

ただし、これは「値段が動かず、スワップも変わらなければ」の話です。スワップは毎日変わり、減ることもあります。そして値段は、毎日動きます。

1日のスワップは、値段にすると0.12銭

7本ぶんの1日のスワップ84円を、値段に置きかえてみます。7万通貨なので、0.12銭です。ランド円が0.12銭動けば、1日分のスワップと同じ額が増えたり減ったりします。

7本(7万通貨)で 金額 スワップに直すと
1日のスワップ +84円 1日分
値段が1銭動く 700円 約8日分
10月8日の値幅8.25銭 5,775円 約69日分
10月6日の値幅12.14銭 8,498円 約101日分

10月5日から9日の1週間で、建玉のスワップは660円増えました。同じ1週間で、評価の含み損は7,429円小さくなっています(値段が10.70銭上がったぶんと、1本売ったぶんです)。差引がよくなった7,993円のうち、9割以上はスワップではなく評価のほうでした。

スワップは、いまのところ毎日少しずつ積み上がっています。値段は、1日でその何十日分も動きます。上にも、下にもです。

本数が増えると、含み損はスワップより速く増える

9月は、ランド円が下がるあいだに買い足して、建玉が2本から7本になりました。8月末と9月末を比べると、こうなります。

項目 8月末 9月末 増え方
建玉 2本 7本 3.5倍
1日のスワップ 24円 84円 3.5倍
評価の含み損 −300円 −14,363円 約48倍

スワップは本数に比例して増えます。含み損は、新しく買った玉だけでなく、前から持っている玉にも値下がりのぶんが乗るので、本数よりずっと速く増えます。下がりながら買い足しているあいだは、スワップが埋める割合はなかなか上がりません。

反対に、10月の最初の週から2週目にかけては、値段が戻ったことで、埋まった割合が約13%から24%に上がりました。割合を動かしているのは、ほとんどが値段のほうです。

📌 まとめ
  • ①いまの7本では、スワップ3,311円が含み損13,583円の24%を埋めています。玉ごとの割合は15%から34%まで、ばらばらです。
    スワップが埋めているのは、含み損の4分の1。
  • ②差引のゼロは、評価のゼロより先に来ます。「建値−スワップ÷1万」の値段で、損益はゼロに戻ります。①は建値の12.11銭手前です。
    値段が建値に戻る前に、損益はゼロに戻る。
  • ③1日のスワップは、値段にすると0.12銭です。スワップだけで埋めると4か月ほどかかりますが、値段は1日でその何十日分も動きます。
    スワップは少しずつ積み上がる。値段は1日でその何十日分も動く。
あわせて読みたい

スワップが何日分つくかは、その④のスワップカレンダーの読み方に書きました。1000通貨で持ったときのスワップは、その②にあります。

次回予告

10月6日に売ったとき、買いの線が9.37銭上がって、次の日にその線の下で1本買えました。5銭下がったら買う、5銭上がったら売る、というルールは、売ると買いの線まで一緒に動きます。10月26日(月)の次回は、この日記で4回あった「売ったから買えた」日を並べて、線の動き方を数字で書きます。

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