1000通貨から始めたら、スワップは1日いくらか ── 実際の口座の数字で数えてみた

コラム
ランド投資の基礎
その②
2026.08.24

1000通貨の南アフリカランドを買うと、スワップは1日いくら入るのか。
答えは1.2円です。缶コーヒーを買うのに、100日かかります。
この記事では、その1.2円がどこから来て、1年でいくらになって、何本持てば月1万円になるのかを、わたしの口座の実際の数字で数えます。数えたうえで、それでも1000通貨に意味はあるのか、という話までいきます。

まず答え ── 1日1.2円

SBI FXトレードのZAR/JPY、買いのスワップは1万通貨で1日12円です(2026年8月の基本の数字)。

画面に出るスワップはいつも1万通貨あたりなので、1000通貨ならその10分の1。1日1.2円ということになります。

※SBI FXトレードは1通貨から1,000万通貨まで取引できます。スワップは各営業日の取引終了時点(夏時間5時30分、冬時間6時30分)に、そのとき持っている建玉に付きます。その瞬間に建玉がなければ、スワップは発生しません。端数の扱いはご自分の口座で確かめてください。

1.2円を伸ばすとどうなるか

期間 1000通貨 1万通貨 10万通貨
1日 1.2円 12円 120円
1週間(7日分) 8.4円 84円 840円
1か月(30日) 36円 360円 3,600円
1年(365日) 438円 4,380円 43,800円

1000通貨を1年持って438円。これが出発点の数字です。

いくら用意すればいいか

ランド円が9.93円のとき、1000通貨の取引金額は9,926円です。

項目 金額
取引金額(1,000 × 9.9256) 9,926円
取引必要証拠金(4%) 397円
レバレッジ1倍で持つのに必要な資金 9,926円

証拠金だけなら397円で持てます。でも397円で持つというのは、レバレッジ25倍で持つということです。前回の柱記事で計算したとおり、25倍だとランド円が20.4銭下がっただけでロスカットされます。

だから実際に必要なのは約1万円。1万円を口座に入れて1000通貨を1本持つ。これがレバレッジ1倍の姿です。

利回りにすると4.41%。政策金利7.00%との差はどこへ行ったか

1年438円を、取引金額9,926円で割ります。

438円 ÷ 9,926円 = 年 4.41%

ここで、あれ、と思う人がいるはずです。南アフリカの政策金利は7.00%。日本は1.00%。差は6.00ポイントあります。それなのに受け取れるのは4.41%。1.59ポイントぶんが、どこかへ消えています。

SBI FXトレードの説明にも「金利差がそのまま受け取れるわけではありません」と書いてあります。ここは正直に、そういうものだと受け取っておきます。理屈を知らなくても、数えるのは実際に入った金額のほうでいい。この日記が毎日やっているのは、それだけです。

スワップは、毎日同じ額ではない

ここからが、始める前に知っておきたかったことです。

「1日12円」と書きましたが、毎日12円ずつ入るわけではありません。SBIの投資情報にある「スワップ履歴」というカレンダーを開くと、日付ごとにSWAP日数と金額が並んでいます。2026年8月のZAR/JPY買いを、そのまま書き出します。

日付 SWAP日数 1万通貨あたり 1000通貨なら
8/4(火) 1日 +13円 +1.3円
8/5(水) 1日 +11円 +1.1円
8/6(木) 5日 +55円 +5.5円
8/7(金) 0日 0円 0円
8/8(土) 1日 +12円 +1.2円
8/9(日) 0円 0円
8/10(月) 0円 0円
8/11(火) 0日 0円 0円
8/12(水) 1日 +12円 +1.2円
8/13(木) 3日 +36円 +3.6円

ばらばらです。整理すると、こうなります。

📌 スワップのつき方、3つのくせ
  • ①日曜と月曜はつかない。毎週です。カレンダーには「-」と出ます。
  • ②木曜は3日分まとめてつく。週末ぶんを先にもらう形です。ふつうの週は 火1・水1・木3・金1・土1 で合計7日分になります。
  • ③1日あたりの額も動く。8月は11円・12円・13円のあいだで動きました。7月は13〜14円だったので、じわじわ下がっています。

そして8月6日の5日分と、8月7日・11日の0日。これは特別な事情でした。8月9日が南アフリカの女性の日で、その年は日曜。南アでは祝日が日曜に重なると翌月曜が休みになるので、8月10日が南アの祝日になり、受け渡しの日がずれたのです。

大事なのはここです。8月6日から11日までの合計は6日分で、ふつうの週とまったく同じでした。木曜に2日ぶん先にもらって、金曜と火曜で返しただけ。もらい損ねてはいません。

もっと大きく見ても同じです。8月1日から22日までの22日間で、ついたスワップはちょうど22日分(1万通貨で260円)。つかない日が8日もあったのに、合計は日数どおりでした。

つかない日は、休みではなく前借りです。

実際に持っていた玉は、いくらもらったか

ここまでは計算です。実際にわたしの口座で起きたことを並べます。1万通貨あたりの数字なので、1000通貨ならすべて10分の1です。

建玉 建てた日 持った日数 ついたスワップ 1日あたり
①(保有中) 7月7日 47日 +623円 13.26円
③(8/21に決済) 7月23日 29日 +359円 12.38円

1000通貨に直すと、①は47日で62.3円、③は29日で35.9円です。

③のほうには、もうひとつ書いておきたいことがあります。8月21日にこの玉を決済したとき、値上がりぶんの利益は+611円でした。スワップは+359円。その回の確定損益970円のうち、37%がスワップだった計算になります。

29日間、何もせずに持っていただけです。その「何もしなかった時間」が、利益の3分の1をつくりました。

1000通貨で月1万円に届くか

この日記の小さな目標は「月1万円」です。スワップだけでそこへ行けるのか、数えます。

項目 数字
月1万円 ÷ 30日 1日 333円
1000通貨1本で1日 1.2円
必要な本数 278本(277,778通貨)
レバレッジ1倍で持つ資金 約276万円

276万円です。1000通貨から始めた人が、スワップだけで月1万円を受け取ろうとすると、そういう世界になります。

もちろんレバレッジを上げれば資金は減ります。でも前回の柱記事のとおり、レバレッジを上げるとロスカットまでの距離が縮みます。5倍ならランド円が8.16円で退場です。資金を減らすと、生き残る距離も減る。そこは交換できません。

では、1000通貨に意味はあるのか

1日1.2円。年438円。月1万円には276万円。ここまで数えると、1000通貨なんて意味がないように見えます。

でも、ひとつだけ、1000通貨にしかできないことがあります。

1000通貨は「小さい」のではなく、
「細かい」のです。

同じ1万通貨ぶんを買うのに、やり方は2つあります。

やり方 買い方 平均建値
①まとめて1本 1万通貨を9.93で買う 9.9256
②10本に分ける 1000通貨を9.93から8.00まで10段階で買う 8.9628

②の平均建値は、①より96銭も低くなります。同じ資金量で、同じ通貨量を、まったく違う値段で持てるということです。

もちろん、ただの得ではありません。②は8円まで下がらなければ10本ぜんぶは入りません。下がらなければ量が入らないし、下がれば平均が下がる。それが「刻みを細かくする」ということです。

前回の柱記事で、こんな計算をしました。いまの口座で8円まで買い下がって耐えられるのは、合計34万通貨まで。それを刻みに直すと——

単位 買える回数 刻みの幅
1万通貨 34回 5.7銭に1回
1000通貨 340回 0.57銭に1回

同じ資金量で、刻みを10倍細かくできます。これは資金が少ない人の妥協ではなく、単位が小さいことの利点です。

わたし自身、600万円を溶かしたあとに1000通貨から再開しました。あのとき1000通貨を選んだのは、失っても致命傷にならない金額だったからです。でもいま数えてみると、それだけではありませんでした。1000通貨は、線を細かく引ける単位でもあった。

まとめ

📌 この記事の要点
  • 1000通貨のスワップは1日1.2円。1か月で36円、1年で438円(2026年8月・SBI FXトレードのZAR/JPY買い)。
  • 必要な資金は約1万円。証拠金だけなら397円で持てるが、それはレバレッジ25倍という意味。
  • 利回りは年4.41%。政策金利の差6.00ポイントより1.59ポイント少ない。金利差はそのまま受け取れない。
  • 毎日同じ額ではない。日曜と月曜はつかず、木曜は3日分。ふつうの週で7日分。つかない日は休みではなく前借り。
  • 29日持った玉には+359円ついた。その回の確定損益の37%がスワップだった。
  • スワップだけで月1万円には約276万円。1000通貨から始める人には遠い。
  • それでも1000通貨には意味がある。小さいのではなく細かい。同じ資金量で刻みを10倍細かくできる。

この記事の数字は、すべてわたし自身のSBI FXトレードの口座の実数と、そこから計算したものです。スワップの額は毎日変わりますし、金利情勢が変われば受け取りが支払いに変わることもあります。まずはご自分の口座で、スワップ履歴のカレンダーを一度開いてみてください。「1日いくら」より先に、「いつ、何日分つくのか」が見えます。

※本記事は筆者個人の運用記録と、それに基づく計算を公開したものです。特定の取引を推奨するものではありません。スワップポイント・必要証拠金率・ロスカット水準は各社およびサービスによって異なり、いつでも変更されます。金利差が逆転した場合、スワップは受け取りから支払いに転じます。必ずご自身の口座の最新の条件をご確認ください。

次回の柱記事

9月7日(月)公開。「南アフリカランドで600万円を溶かした話 ──『FX戦士くるみちゃん』を見て、FXを始める前に」。1000通貨で1日1.2円という今回の数字は、かつてこのスワップで生活費を稼ごうとして退場した話とつながっています。

1日1.2円を数えるところから、また始めました。 — こども部屋おじさん

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