月曜は相場もお休み。コラムの日です。前回は「ネットも携帯もなかった頃」の話をしました。今日はその続き——連絡手段が、ものすごい速さで移り変わっていったあの時代の話を。
鳴るたびに、ドキドキした
僕が初めて持ったポケベルは、自分で買ったものじゃなくて、会社から支給されたものでした。
できることは一つだけ。鳴ったら、会社に電話をかける。それだけ。
だから僕にとってポケベルは、ワクワクする道具じゃなかったんです。鳴るたびに、ドキッとする。「何かあったか」「呼び戻されるのか」。あの小さな機械がポケットで震えるたび、心臓がきゅっとなりました。
便利な道具のはずなのに、持たされる側にとっては、ちょっと違う意味を持っていた。僕にとって最初の”携帯端末”は、そういう存在でした。
PHSと、”稼げますよ”という言葉
そのうちPHSが出てきました。「ピッチ」なんて呼んでいましたね。
不思議だったのは、やたらと色んな人から「買わないか」と声をかけられたことです。当時はよく分かっていなかったけれど、今になって思えば、あれは「販売代理店になりませんか、稼げますよ」みたいな話だったんでしょうね。
電話を売る人が、僕みたいな素人にまで「あなたも売る側になれる」と持ちかけてくる。世の中が、何か新しいもので一斉に儲けようとしている空気。——この“稼げますよ”という言葉、覚えておいてください。僕はこのあとの人生で、形を変えて何度もこの言葉に出会い、そのたびにフラフラと近づいていくことになります。
ばらまかれた携帯電話と、見栄の話
そして、携帯電話の時代が一気に来ます。
セルラーが出てきた頃は、それはもう、すごい勢いで携帯をばらまいていました。新規契約だと驚くほど安くなるものだから、僕は何度も乗り換えて、そのたびに電話番号が変わる。お得につられて、ホイホイ動いていたわけです。
そして、番号にも”格”があったんです。昔から持っている人は030のまま。これが「初期からの所持者」という感じで、ちょっとかっこいい。一方、僕みたいにお得な新規契約につられて何度も番号を取り直す人間は、あとから出てきた040。いわば“新参者の番号”でした。
端末にも格がありました。トレンドはドコモで、パナソニックの「P」を持っていないと、ちょっと下に見られる。僕が使っていたのはセルラーの、京セラの端末。これがまた、バカにされたものでした。
今となっては笑い話ですが、当時は本気で気にしていた。電話一つで、見栄を張ったり、肩身が狭くなったり。中身より、「何を持っているか」「お得かどうか」で動く——僕のそういう性分が、もうこの頃からくっきり出ていますよね。
あの頃の僕に言いたいこと
会社に呼び出されるポケベル、”稼げますよ”のPHS、お得につられて番号が変わり続けた携帯電話。
振り返ると、僕はいつも、誰かが持ちかけてくる話と、世間の空気に乗っかっていました。お得そうなもの、新しいもの、人より良く見えるもの。中身を確かめるより先に、手が伸びていた。
その性分は、残念ながら投資を始めてからも、まったく変わりませんでした。新しい手法、うまい話、いちばん効率のいいレバレッジ……。“稼げますよ”に弱いまま、僕は相場の世界に入っていきます。その先に何が待っていたかは、この連載をしばらく読んでいただければ、おいおい。
でも今は、南アフリカランドのスワップで、毎日コツコツ。”稼げますよ”でも”絶対”でもない、地味な数字を、正直に積み上げています。さんざん遠回りしたぶん、今のこの地味さが、ちょっと愛おしいんです。
— こども部屋おじさん
僕がいよいよ「お金そのもの」に興味を持ちはじめた話を。「株なんて金持ちのやること」と思っていた、あの頃のことを書きます。
※PR・広告
低レバのスワップ投資に興味が出てきた方へ。僕がメインで使っているのとは別ですが、スワップで知られるFX会社のひとつです。
ヒロセ通商 LION FX の詳細はこちら



コメント