低位株で儲けられなかった僕は、レバレッジという仕組みに魅了されてFXの世界に入った。そこで待っていたのは、株では一度も味わえなかった感覚——「勝てる」だった。今回は、僕がいちばん輝いていて、いちばん危なかった頃の話。
ミセス・ワタナベに、なりたかった
株では、思ったように稼げなかった。そんな頃、ニュースで「ミセス・ワタナベ」という言葉が話題になっていた。日本の個人投資家が、FXで世界の為替を動かしている——そんな話に、僕は興味を持った。
難しいことは分からない。でも「株よりも儲かるらしい」。それだけで、口座を開く理由には十分だった。
怖いもの知らずの、レバレッジ最大
取引はドル円で始めた。そして初心者の怖いもの知らずで、レバレッジは最大。スワップで損をしたくないから、ポジションはほとんどドル買い一辺倒だった。
それでも、なぜかお金が増える。ほとんど負けない。買って、待って、増える。株であれだけ勝てなかったのに、FXでは面白いように勝てた。——僕は、自分を天才だと思った。
僕は、自分を天才だと思った。
5つの口座と、眠れない夜
投資に回すお金がどんどん増えていく。そして増えた分だけ、不安も大きくなった。
僕のやり方はこうだ。FX口座を複数持ち、お金を分散して、1つの口座でレバレッジを最大にかけて買う。維持率が100%を割り込むと新規で買えなくなるので、そうしたら別の口座で、またレバレッジを最大にかけて買う。それを、5口座くらいでやっていた。今考えると、怖い。分散という名前の、集中投資。
仕事中も相場が気になり、夜中も何度も起きてはレートを確認して、どうしようかと考える。精神的に、本当にきつかった。
南アフリカランドとの、出会い
このままでは体が持たない——そう思った僕は、通貨を変えることにした。選んだのは、南アフリカランド。ドルより安く、スワップはずっと多い。これなら精神的な負担を減らしながら、増えるお金はもっと多くなるんじゃないか。そんな理屈だった。
そしてこれが、大当たりした。FXを始めて4、5年目。1年で、200万円を超える利益が出たのを覚えている。
あのときの僕に、この先の3年間に何が起きるかを教えても、きっと信じなかっただろう。
次回・第7回は、いよいよ最終回「谷底までの三年間」。天才だと思っていた僕の口座から、すべてが消えていく話です。そして、いま僕が10倍でも20倍でもなく「低レバレッジ」でランドを持っている理由に、たどり着きます。



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